200ページに渡る、製品総合カタログを作成するプロジェクトが始動して半年…
ページ構成やデザイン方向性の決定、キャッチコピーの試行錯誤、製品イメージに沿った雰囲気のモデルさん探し、プロカメラマンによる撮影、何度も繰り返した文字校正、こだわりの用紙選定。
いくつものプロセスを経て、満を持して手元に届いたカタログ。
そこで私はこう思います。
「カタログのベースカラーが思っていたイメージと違う」
「製品カタログなのに、製品の色が実物と違う」
「モデルさんの肌がくすんで見える」
どうしてこんなことになってしまったんだろう…
何もかも上手くいっていたはずなのに、どうして肝心のカタログの色がこんなことに…
どうして…
どうして…

こういった経験はありませんか?
上記の話は完全なるフィクションですが、この中にはある重要な工程が抜け落ちています。
それが「色校正」です。
目次
カタログの仕上がりに直結!色校正とは?
色校正(いろこうせい)とは、カタログを印刷する前に、「仕上がりの色味を確認する」ための大切な工程です。
パソコンの画面で見たときの色と、実際に印刷されたカタログの色は、意外と違うもの。
「思っていたより暗い」「ブルーがくすんで見える」などのズレを防ぐために、本番印刷の前に試し刷りをして、色の再現具合を確認します。
色校正には、目的やコストに応じていくつかの方法があります。
- 簡易校正
(デジタルプルーフ)
専用のプリンターで出力する方式で、手軽に色味を確認できます。
スピーディーでコストも抑えられるため、カタログの初期段階の確認にも最適です。

- 本紙校正
(校正機+実際に使用する予定の用紙で試し刷り)
本番で使う用紙に印刷し、色や質感の見え方を細かく確認する方法です。
実際の印刷と同様に版を作り、校正専用機でインクで印刷するので、簡易校正よりも本番の印刷に近い刷り上がりを見ることができます。
「この紙で印刷したらどんな仕上がりになるか」を実際に確かめられるため、高品質なカタログを目指す場合におすすめです。

- 本機校正
(実際に使用する予定の印刷機+用紙で試し刷り)
本番印刷とまったく同じ条件で行う最も正確な方法です。
印刷機のクセや紙の吸い込み具合まで反映されるので、最終的な仕上がりを事前に確認できる安心感があります。

どの方法を選ぶかは、カタログの目的・予算・納期によって異なりますが、「せっかく作るカタログの印象を損ねない」ために、色校正は欠かせない工程なんです!
なぜカタログ作成には色校正が必要?
色校正を行う目的は、カタログが『思い通りの色に仕上がらないリスク』を減らすためです。
印刷物の色は以下のような、さまざまな条件によって変化するため、実際に印刷をしてみないとどんな仕上がりになるのか分かりません…
① RGBをCMYKに変換した時に色が変化する
パソコンやスマホの画面はRGB(光の三原色)、印刷物はCMYK(インクの4色)で表現されます。
この変換の過程で、特に鮮やかなブルーやレッドがくすんでしまうことがあります。
製品写真を多く扱うカタログでは、この差が印象を大きく左右します。
変換をした後に、色調補正は可能ですが、この時点では目指す色がわからないため、「これぐらいかなー」というような感覚的な補正が限界となります。
CMYK変換後のくすみについては、以下も是非ご参照ください!
② 画面と印刷物の見え方が違う
モニターは光を発して色を表示しますが、カタログのような印刷物は光を反射して色を見せます。
そのため「画面では明るく見えたのに、印刷すると暗い」と感じることがよくあります。
特に人物写真やブランドカラーなどは、色校正での確認が重要です。
色校正を確認した上で、「赤をもっと上げたい」「明るくしたい」「肌のシミをとりたい」というような気になったポイントを補正・加工して、ブラッシュアップしていきます。
③ 用紙の違いで色の出方が変わる
カタログに使う用紙によっても、色の印象は変わります。
ツヤのあるコート紙なら鮮やかに、マット紙なら落ち着いたトーンに。
同じ写真でも、紙の質感ひとつで全体の雰囲気が変わることもあります。
初めて使う用紙や、特殊な用紙を使う場合は必ず色校正を行うことをおススメします!
カタログ作成で色校正を行うメリット
色校正を行うことで、カタログの完成度はぐっと上がります。
■実物との色ズレを防げる
製品カタログで色が実物と異なると、誤解やクレームにつながることもあります。
色校正を行えば、印刷前に色味を調整し、信頼できる仕上がりに近づけられます。
■印刷会社とイメージを共有できる
「この色でOK」とお互いに確認できるため、完成時のズレを防げます。
カタログ制作チーム全体で共通認識を持てるのも大きなメリットです。
■修正コストを削減できる
本番印刷後のやり直しは、費用も時間も大きなロスに。
色校正はそのリスクを減らす『事前対策』です。
■ブランドカラーを正確に再現できる
ロゴや企業カラーなども、色校正によって正確に再現できます。
統一感のあるカタログに仕上げることで、ブランドイメージの信頼度が高まります。
色校正でこだわりのカタログ作りませんか?
どんなにデザインが美しくても、色が違えばカタログの印象は変わってしまいます。
だからこそ、色校正は「仕上がりを確認する」だけでなく、カタログの品質を左右する重要なプロセスなんです。
コストと手間をかけてでも色校正を行うことで、「思っていた通りの色」に仕上がり、カタログ全体の完成度は確実にワンランクアップします!
「前回作った時よりも良い仕上がりにしたい」
「色にこだわったデザインを印刷物でも再現したい」
「化粧品のカタログだからキレイな肌は必須」
こんなご希望がありましたら、ぜひ色校正を検討してみてください!
記事を書いた人

- 業務に限らず、誰かの力になれることが嬉しいです!カタログはもちろん、その他の制作物やデータに関するご相談など、お気軽にお問い合わせください。猫派ですが、犬も好きです。
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