紙とWebの違いを知り、メリットを最大に!

以前は紙媒体が主流だったカタログやパンフレットですが、最近はWebで発信されることも多くなってきました。
どちらも平面のデザインですが、考え方には様々な違いがあります。
ここではそれぞれの違いについて大まかに3つに分けて説明したいと思います。

紙とWebの違い

 

【サイズ】紙は有限、Webは無限

紙のカタログやパンフレットの場合、A4、B5といったサイズの制約があり、ページ数を増やすにも限りがあります。
サイズが決められているということはレイアウトをやりやすくなる反面、写真点数や文字量を余白やページ数などを考えて、バランスよく配置しなければなりません。

一方Webの場合は基本的にスペースの制限はなく、サイズは無限ともいえます。
横幅は一般的なモニタのサイズを基準に決めるのが普通ですが、縦のスクロールは基本的にはどこまでも長くできます。
紙と比較して写真や文章などのコンテンツを多めに盛り込むことができます。

【見え方】紙は固定、Webは変動

紙のカタログやパンフレットの場合、印刷してしまえば当たり前ですが誰がどこで見ても見え方は変わりません。
一方Webの場合は閲覧する環境によって、見え方が全く変わってしまいます。
パソコンとタブレットとスマートフォンでは全く見え方が異なりますし、同じパソコンでもデスクトップの大きなモニターとノートパソコンでは見え方が異なります。
さらにMacとWindows、iPhoneとAndroidなどの違いでも、文字の書体が変わってしまったり崩れてしまう可能性があります。

下記は同一サイトの各媒体の見え方の一例です。

一般的なデスクトップパソコンでの表示
iPad Airでの表示
iPhone 12での表示

いろいろな環境で閲覧されることを想定して文字や写真の大きさに配慮し、デザインのイメージを崩さずに表示できるように調整する必要があります。

 

【色】紙はCMYK、WebはRGB

印刷における色はCMYK=C(シアン)/M(マゼンタ) /Y(イエロー)/K(ブラック)で表現されます。
混ぜるにつれて暗い色合いになる特徴をもっています。
ディスプレイの色と実際に紙に印刷した色で差が生じるので、色校正を行うのが一般的です。
紙や印刷機の特性を踏まえた上で、ディスプレイの色と実際に紙に印刷した色の差を補正するための微妙な調整が要求されます。

Webにおける色はRGB=R(レッド)/G(グリーン)/B(ブルー)で表現されます。
混ぜるほど明るい色調になり最終的には白に近づく特徴があります。
ディスプレイに映る色そのもので完成となりますが、データ形式や閲覧環境によっては、色の見え方が異なる場合もあります。

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紙とWebの違いについて説明してきましたが、続いてそれぞれのメリットについて説明したいと思います。

紙のメリット

信頼性が高い

紙のカタログやパンフレットは簡単に修正できないからこそ、内容を精査したうえで入念なチェックが入るため、客観性や信頼性につながっているといえます。
逆にコストと時間がかかり、簡単に修正しづらいことはデメリットともいえます。

保存性・再読性が高い

紙のカタログやパンフレットはモノとして手元で保管できるため、好きなタイミングで何度も目を通しやすいです。
そのため記憶にも残りやすく、広告宣伝にとって良い作用を及ぼします。

紙ならではの表現ができる

実際に触ることのできる紙のカタログやパンフレットは素材・加工などによって、与える印象を変えることができます。
箔押し加工をして高級感を出したり、抜き型で抜き加工をして視覚に訴えるといった工夫ができることが大きなメリットといえます。

視認性が高い

スクロールして見ることが前提のwebと比べて、紙のカタログやパンフレットはひと目で全体を捉えやすいため、何がどこにあるのかを判別して目的の情報を見つけやすいです。

Webのメリット

即時性が高い

印刷という工程をもたないWebは制作・確認さえ完了すれば、すぐに発信することができます。
スピードに優れるので、紙のカタログやパンフレットに比べて常に新しい情報を展開しやすいです。
また、変更・修正が比較的容易なのもメリットです。

情報の拡散力が高い

WebサイトやSNSは、簡単に不特定多数のユーザーへ情報を届けられます。
特にSNSはシェアされることで、より多くのユーザーに認知されやすいです。

効果を可視化しやすい

WebサイトやSNSは、閲覧回数などのユーザーの反応を数値として知ることができます。
データから分析・検証を行い、適宜改善していくことが可能です。

まとめ

「紙」と「Web」似ているところもあれば違うところもあり、それぞれに一長一短があります。
また、紙のメリットはWebで出来ない部分、Webのメリットは紙で出来ない部分でもあります。
商材やターゲット・目的によって、「紙」にするか「Web」にするか適切に使い分けることが大切です。
あるいは「紙とWebの両方」を使って、それぞれの弱みを補い合うことも重要だと考えています。
それぞれのメリットを最大に活かすことができれば、顧客が必要としているタイミングで適切な情報を提供できるので、営業活動の効果UPに貢献することができます。

例として・・・

  • シニア向けにサービスを告知し、加入を促す
    長年紙媒体に親しんできたシニア層には、問い合わせなどの実際の行動に移しやすいチラシやDMなどで訴求。
  • 若者向けにキャンペーン告知し、来店してもらう
    日常的にWebを使用している若者には、Web広告やブログなどで訴求。
  • 企業の販促担当者が新製品のPRをする
    ランディングページで広く周知させ、さらにカタログやDMなど両媒体を駆使して幅広く訴求。

どちらも情報をわかりやすく伝えたり、何らかのメッセージを伝えるということにおいては共通しています。
弊社では紙とWeb両方のデザイン制作を行っていますので、イメージを統一し、連動性を持たせたデザインを行うことができます。
コンテンツの魅力や情報を正確にわかりやすく伝えるデザインを心がけて制作していますので、お気軽にお問い合わせください。

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記事を書いた人

今江賢司
今江賢司
グラフィックデザイナー

1990年代より印刷物を中心としたデザイナーとして数社を渡り歩く。
近年はwebデザインを手掛けることも多い。
明確な答えのない「デザイン」というものについて日々模索している。
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