カタログデザインのプロが解説 お客様の視線を迷わせない購買に導くデザイン設計

カタログは「静かな営業マン」と言われます。営業トークができない分、視覚的な説得力と論理性が求められます。購買意欲を促すポイントは何でしょう?

ユーザーに響くカタログデザインとは

このカタログ、見やすいから買いたくなっちゃう。手元に置いておきたいな。と思うのはなぜでしょう。それは、情報が整理され、ユーザーが商品やサービスの魅力をすぐ理解できるからです。それにはデザインがとても大切。デザインが雑だったり、情報が探しづらいカタログは「信頼できる会社なのか?」と疑念を持たれることもあります。
 では、購買につながるカタログにはどんなデザインの設計がされているのでしょうか。用途やポイントを簡単に説明します。

このカタログを使う人は誰?ユーザー目線で考える

カタログの種類は様々です。カタログを使うユーザー別に重視するポイントがあります。
①一般消費者(感覚・ビジュアル・お得感)
②法人担当者(スペック・価格・信頼性)
③営業担当(提案資料としての使いやすさ)
④店舗スタッフ(商品説明と在庫情報の即時確認)
⑤購買・調達担当(比較・価格・納期の把握)

その他に、業界、年齢、性別などの属性情報だけでなく、ターゲットユーザーがカタログを見るタイミングや状況を分析し、それらを理解してから全体の方向性を組み立てます。
東美では必ずターゲットを明確にし、カタログのユーザーに合わせたデザインを考えていきす。フォント選びも重要で、視認性の高いフォントで、サイズや太さ、色や置き方まで、ユーザーにどう見えるかを常に考えて制作しています。

見つけやすい使いやすいのはなぜ?ビジュアルの重要性

 ターゲットユーザーを明確にしたら、商品(写真)の見せ方、ビジュアルを考えていきます。ビジュアルにはブランドイメージにもつながるとても重要な役割があります。

  • 写真の見せ方(モデル利用、背景比較)
    写真は商品の魅力を効果的に伝える大切なもの。読まずとも視覚的に伝えることができるので、写真のクオリティを最大限に生かせば購買意欲が湧いてきます。料理や食品なシズル感たっぷりの美味しそうな写真。化粧品なら実物と印刷物の色の誤差がない写真が大切です。

    東美ではカタログに使う写真は全て色のプロフェッショナルが見ます。AI では再現が難しい合成処理や、繊細な色再現を色の職人が再現します。次に構成です。


  • 商品1点あたりの情報構成
     写真(主役)
     商品名(短く覚えやすく)
     キャッチコピー(「魅力的」と思わせる)
     価格(目立たせる/割引があれば明確に)
     特徴アイコン(例:送料無料、割引額)
    この情報構成はスペックと言われ、簡潔に分かりやすくデザインすることが重要です。商品内容が分かりづらいと購買意欲も下がります。なので見つけやすいか・分かりやすいかを考えて作っていきます。

購買心理に基づくページ設計

 ページ数の多いカタログは、商品を見失いがちです。利便性を高めるページ構成はどのようなものでしょうか。


【表紙〜冒頭】導入ページ
 世界観やシーズン性を伝えるビジュアルを入れる
【中面】誘導型レイアウトユーザーの悩みやカテゴリー別に掲載
 比較ページやランキングを用いて「選ぶ理由」を知らせる
【中盤〜後半】クチコミ・ストーリーなどお客様の声/ Q&A /開発ストーリーを入れ信頼を伝える


 「読む」のではなく「流れでわかる」ページ構成にすることで、ストレスなく商品を見つけることができます。

比較しやすい・注文しやすい動線の大切さ

 最後に、購買へ導くポイントは「比較しやすい」「注文しやすい」です。「比較しやすい」とは、商品のお得感などをアイコンを使ったり、文字の色などで表現します。購買に迷った時、比較が明確にされていると購買への後押しになるのでとても重要です。
 次に、「注文しやすい」設計とは、注文導線を“見逃させない”仕組みです。買いたい商品と同ページに注文フォームに飛べる二次元コードがあったり、注文方法が簡潔に説明されていると、注文の煩わしさを軽くし、すぐに注文の行動へ移せてユーザーにとっては「使いやすいカタログ」になります。

カタログデザインのプロが作るデザイン設計

東美では、これらのカタログ設計のポイントを熟知したデザイナーが、お客様のカタログの悩みをヒアリングし、情報を整理。お客様と一緒に考え、ユーザーが購入へ導けるデザインをご提案いたします。
 そして、紙カタログで終わらず、Webやデジタル施策との連携を考え、紙カタログとオンラインを組み合わせた構成も作成可能です。Web のデジタルカタログも展開します。
 カタログだけでなく、印刷物の制作のお悩みなど、些細なご相談でも承ります。

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記事を書いた人

白石優子
白石優子