価格改定に柔軟対応するカタログ制作の工夫とは?

ここ数年、原材料や物流費の高騰を受け、メーカー各社では商品の価格改定が相次いでいます。中には一年に数回も価格を変更せざるを得ないという声も少なくありません。

問題の一つは「カタログ発行時期」の存在です。

カタログは印刷物であるがゆえに、一度作ってしまうと簡単には修正がきかず、「また値上げ?また作り直し?」というジレンマに陥ってしまいます。再版するたびにコストも時間もかかり、カタログを使って商売をする会社様にとっては大きな悩みの種です。

印刷寸前までカタログレイアウトデータは出来上がっているけれど、商品価格が決まらないためにカタログ印刷を進めることができず、お客様から「まだか、まだか」と催促されている会社様もいらっしゃいます。

では、こうした価格変動の時代に、どのようにカタログを設計すればよいのでしょうか?

今回は弊社で携わったカタログの対応策をいくつかご紹介します。

事例1:カタログには価格を入れず、別に価格表を作成する

最もオーソドックスな方法は、価格表をカタログ本体とは別に価格表を制作するスタイルです。

  • カタログ:商品写真・仕様・特徴のみ掲載
  • 価格表:モノクロ版で数ページの価格とスペックのみ記載(随時差し替え)

こうすることで、本体のカタログは今まで通りの発行回数で、価格表だけ都度更新・印刷することで対応ができます。

改定時にも最新の価格リストをCSVで掃き出し編集ソフト(Indesign)で読み込むことで正確に素早く修正ができます。

モノクロ版での中綴じ価格リストは、1000部印刷しても10万円もかからず作成することが可能です。

事例2:価格表を「QRコードでWeb連携」する

近年増えているのが「価格はWebでご確認ください」という設計。

  • カタログ上にQRコードを掲載
  • そのコードから最新の価格一覧PDFや価格シミュレーションにアクセスできる

この方法であれば、印刷物自体には価格を記載せず、Web側で最新情報を管理できるため、柔軟な運用が可能です。

1冊のカタログ内に大量のQRコードを配置することになりますが、ソフトを使って大量のQRコード一括生成して確認までできます。

事例3:デジタルカタログを活用する

紙カタログと並行して、PDFやWeb上でのデジタルカタログを運用する企業も増えています。特にPDFであれば、更新や再配布が比較的容易。

「紙は毎年発行、PDFは価格変更のたびに更新」といったハイブリッド運用で、印刷費を抑えつつ最新情報を提供するスタイルが主流になりつつあります。

常に最新のデジタルカタログを制作しておけば、そのデータを印刷できる

デジタル(オンデマンド)印刷を活用して、必要な時に必要な冊数の最新カタログを印刷するといったことも可能です。

最近のデジタルカタログは、カタログデータを使って従来の短納期・低コストといっ

た付録的なサービスだけではなく

  • スマホ最適化&縦スクロール対応
  • 多言語切り替え・自動翻訳機能
  • ユーザーの閲覧履歴に応じておすすめ商品を切り替えるパーソナライズ表記

などの機能があり攻めのデジタルパンフが出ています。

まとめ:変化に強いカタログ設計を

価格改定が頻繁な時代だからこそ、カタログも「変化に対応できる設計」が求められています。印刷コストや作業工数を抑えつつ、お客様に正確な情報を届ける。そのバランスを取ることが、今後ますます重要になっていくでしょう。

弊社では、年間100冊以上のカタログ制作に携わっていることで、こうした価格変動に柔軟に対応できるカタログ設計や、Web連携の仕組みづくりまでサポート可能です。お気軽にご相談ください。

このページをシェアする

記事を書いた人

一木大輔
一木大輔
カタログ・パンフレットの業務全般に精通し、グラフィックデザイン、ウェブデザイン、DTP、スキャナーの経験があります。
データに関する相談にも対応可能です。
お客様が困っているときは、その場でオペレーションを行い、スムーズな解決をサポートします。
幅広いスキルを活かして、お客様のニーズに最適なご提案をいたします。