「カタログ制作会社を変える前に知っておくべきリスクと対策」

カタログを発行して代理店やお客様へ配布して注文を受ける企業の多くは、長年の実績を持ち、カタログ制作も長く付き合いのあるカタログ制作会社に委託していることが一般的です。

しかし、「デザインを刷新したい」「デジタル化を進めたい」「コストを見直したい」 などの理由で、新たなカタログ制作会社への切り替えを検討することもあるでしょう。

ただし、長年付き合いのあるカタログ制作会社を変更することにはデータ移行や著作権の問題、制作フローの混乱 など、思わぬリスクが伴います。本記事では、カタログ制作会社を変更する際のリスクと、その対策について解説します 。

お客様からお聞きした「カタログ制作会社を変えようと思った理由」

デザインテイストを変えたい

長年付き合いのあるカタログ制作会社は、クライアントの商品やクライアントの好みなどを十分理解している反面、その枠からはみ出すことができず新しいデザイン提案が出てこない場合があります。

デジタルカタログやWeb対応が進んでいない

カタログ制作を長く経験している制作会社はウェブデザインまではできてもコーディングやシステム構築ができない会社もあります。デザイナーの高齢化が進んでおりデジタルの対応があまりできないのです。

制作費や印刷コストを削減したい

カタログ制作はソフトの進化や自動組版によって業務効率化が進んでいますので以前かかっていた作業時間よりも少ない時間でカタログ制作ができています。発注コストだけではなく、それにより自社のカタログ制作担当者の作業時間も削減できる可能性があります。しかし以前からの方法でカタログ制作をしているとその作業効率を進めることができません。

制作会社を変える前に知っておきたいリスク

カタログ制作会社を切り替えるときには、「新しい制作会社のデザイン力」「納期の確実性」「コスト軽減効果」など様々なポイントが気になるものです。しかしこれらと同じくらいあるいはこれ以上に注意すべき重要なリスクがあります。

それは制作物に関わる著作権の問題です。
一般的に、特別な取り決めがない限り、カタログのデザイン(レイアウト)や、制作会社が撮影した写真の著作権は制作会社に帰属します。
そのため、クライアント側が「自社カタログだから自由に使えるはず」と思っていても、法的には無断使用できないケースがあります。
この点を事前に確認しないと、新しい制作会社への移行後に、過去データの使用制限やトラブルに発展する恐れがあります。

失敗しないための対策と準備

データの権利を確認する

過去の制作データの権利を契約書でチェックして著作権者がだれなのか確認してください。『第●条(納入物の著作権)』等の題名が書かれている条項を探しましょう。

特に商品カタログで必要な画像データが移行できないと撮影のやり直しをすることになり、せっかく新しい制作会社でコストダウンができたのに商品撮影のコストが発生して全体的にコストが上がってしまう可能性があります。

新しい制作会社でデータ確認とテスト運用する

移行できたとしても、閲覧用の低解像度PDFや画像データだったりすると印刷物作成には使えないデータという場合もあります。現行制作会社から引き取ったデータはすぐに新しい制作会社でデータ確認をしてください。

まとめ:カタログ制作会社の切り替えは慎重に進めましょう

カタログ制作時には必ず契約書を交わし「著作権の帰属先」について話し合いをして明記してください。契約時に「著作権譲渡」や「翻案」などの文言が明記されていれば、カタログ制作会社の切り替えがスムーズに行うことができます。

弊社では、契約時にデータ帰属先の確認はもちろん、データ移行に問題がある場合の解決策をご提案いたします。

お気軽にお問い合わせください。

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記事を書いた人

堀内哲
堀内哲
Web・紙媒体問わず、売上アップを得意とするプロデザイン集団率いる2代目社長。
幼少の頃からじっとしていることが苦手で、通信簿には常に「落ち着きがない」と書かれるが
経営者になってからは、それを「行動力」という強みに変えて開花。
2015年には「東美のデザインは世界に通ず」を合言葉に海外進出を実現。またその経験を
もとに企業の海外進出をサポートする業務を開始するなどの手腕を発揮。
酒は飲まねど場の雰囲気を一気に飲み込む声の大きさと、社員を信じきる懐の深さはメジャー級。そのまっすぐな性格同様、とにかく曲がらないショットでゴルフの腕前はプロ級。
最近は、新たなに会社につくった「カタログ図書館」を見ては、お客様の笑顔を妄想しニヤニヤしている。