「カタログやパンフレットは、できれば社内で作ったほうが安いのでは?」
「外注すると高そうだし、やり取りも大変そう……」
そう感じている企業は少なくありません。特に、これまで一度も外注をしたことがない企業や、内製化にメリットを感じている企業ほど、その傾向は強いのが実情です。
「まずは社内で作ってみよう」
そう決めてスタートしたものの、途中で止まってしまうケースは珍しくありません。
実際によくあるのが、
- 担当者が本来業務で忙しくなり、更新が後回しになる
- 情報は集まったが、どう整理してよいかわからず止まる
- 「とりあえず仮」で作った状態のまま、完成しない
結果として、
数か月〜1年以上、未完成のまま眠ってしまうこともあります。
内製は決して悪い選択ではありませんが、
「続けられる体制かどうか」を見極めないと、
時間だけがコストとして積み上がってしまうのが現実です。
本記事では、カタログ・パンフレット制作における「内製」と「外注」それぞれのメリット・デメリットを冷静に整理しつつ、
「自社にとってどちらが正解か」を判断するための視点を解説します。
目次
そもそも、内製と外注はどう違う?

まずは全体像を俯瞰してみましょう。
| 観点 | 内製 | 外注 |
|---|---|---|
| 主体 | 社内担当者 | 制作会社・専門チーム |
| コスト | 一見安く見える | 予算化しやすい |
| 品質 | 担当者スキルに依存 | 一定水準を担保 |
| 工数 | 社内工数が増える | 社内負担は軽減 |
| 属人化 | 起こりやすい | 起こりにくい |
重要なのは、「どちらが優れているか」ではなく、
自社の体制・目的・頻度に合っているかどうかです。
内製のメリット・デメリット

内製のメリット
① スピード感を持って修正できる
社内で完結するため、軽微な修正や更新はすぐに対応できます。
② 社内理解が深まる
商品情報やサービス内容を自社で整理する過程そのものが、営業資料の整理につながることもあります。
③ 外注費が発生しない
制作会社への支払いが不要なため、短期的な支出は抑えられます。
内製のデメリット
① 担当者に大きな負荷がかかる
本来業務と並行して制作を行うケースが多く、
「忙しくて途中で止まる」「完成しない」事態が起こりがちです。
② クオリティが安定しない
レイアウト、文字量、写真の扱いなどが属人的になり、
営業ツールとしての完成度に差が出やすくなります。
③ 担当者退職リスク
制作ノウハウが個人に紐づいていると、引き継ぎが困難になります。
外注のメリット・デメリット

外注のメリット
① 第三者視点で整理してもらえる
自社では当たり前になっている情報も、
「伝わるかどうか」という視点で再構成されます。
② 品質と構成の安定
読みやすさ、情報整理、ページ構成など、
営業ツールとしての完成度が一定水準以上になります。
③ 社内工数を削減できる
担当者は「判断」に集中でき、
制作作業そのものから解放されます。
④ 属人化しにくく、担当者が変わっても継続できる
外注の場合、制作の経緯・構成意図・データ管理は制作会社側にも蓄積されます。
そのため、
- 社内の担当者が異動・退職した
- 引き継ぎが十分にできなかった
といった場合でも、
制作会社が背景を理解した状態でフォローできるのは大きなメリットです。
「人が変わるたびに、説明を一からやり直す」
そんな負担を減らせる点は、内製にはない強みと言えます。
外注のデメリット
① 費用が発生する
当然ながら制作費がかかります。
ただし「人件費+時間」を含めて考える必要があります。
② 初期のすり合わせが必要
目的やターゲットが曖昧なままだと、
「思っていたものと違う」結果になりやすい点は注意が必要です。
Q&Aで整理する「よくある悩み」

-
社内にデザイン部門がない場合、内製は無理?
-
無理ではありませんが、現実的には負担が大きくなりやすいです。
特にカタログのように情報量が多い媒体は、
途中で止まるケースが非常に多いのが実情です。
-
デザイン部門があっても外注する意味はある?
-
十分にあります。
構成設計や全体設計だけ外注し、運用は社内という分業も有効です。
-
外注すると丸投げになりませんか?
-
良い制作会社ほど、丸投げにさせません。
ヒアリングや確認を通じて、判断は必ず社内に残ります。
-
外注すると、やはり費用は高くなりますか?
-
一概に「高い」とは言えません。
比較すべきなのは外注費そのものではなく、社内でかかっている“見えないコスト”です。
例えば内製の場合でも、
- 担当者の作業時間
- 他業務が止まることによる機会損失
- 作り直しや属人化によるロス
といったコストが発生しています。
外注は費用が明確に見える分、「高く感じやすい」だけで、
総合的に見ると合理的な選択になるケースも多いのが実情です。
判断のためのチェックリスト
以下に一つでも当てはまる場合、外注は有力な選択肢です。
- 担当者が他業務で手一杯
- 過去に制作が途中で止まった経験がある
- 営業ツールとして成果を出したい
- 情報整理に時間がかかっている
- 品質にばらつきがあると感じている
「外注=高い」ではなく、「投資」という考え方
カタログ・パンフレットは、
一度作って終わりのものではなく、営業・採用・展示会などで長く使われる資産です。
内製で「安く作ったつもり」が、
- 使われない
- 説明しづらい
- 結局作り直し
となるケースも少なくありません。
まとめ:外注は「選択肢のひとつ」
内製にも外注にも、それぞれメリット・デメリットがあります。
大切なのは、「自社に合ったやり方を選ぶ」ことです。
もし、
- 外注は未経験で不安
- 外注するかどうかは、まだ決めていない
- まず話だけ聞いてみたい
- 内製と比較して判断したい
その段階でも、相談だけで問題ありません。
判断材料を整理するための壁打ち相手として、制作会社を使うのも一つの方法です。
カタログ・パンフレット制作は、
内製か外注かを“決めること”よりも、失敗しない判断をすることが重要です。
カタログ制作専門サービス「カタプラ」まで、お気軽にお問い合わせください。
記事を書いた人

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カタログ・パンフレットの業務全般に精通し、グラフィックデザイン、ウェブデザイン、DTP、スキャナーの経験があります。
データに関する相談にも対応可能です。
お客様が困っているときは、その場でオペレーションを行い、スムーズな解決をサポートします。
幅広いスキルを活かして、お客様のニーズに最適なご提案をいたします。
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