カタログやパンフレットの印刷見積りで、
用紙を「90kg」でお願いしたはずなのに、見積書を見ると「62.5kg」と書かれていて、
「あれ?」と思ったことはありませんか。
また、クライアントからの仕様書に
『四六判』『菊判』と記載されていて、
「これは用紙の種類のことだろうか?」と戸惑った経験がある方も多いかもしれません。
私自身もお客様から、よくこの質問をいただきます。
なるべく難しくならないように説明しているつもりでも、
「ちゃんと伝わっているかな?」と感じる場面は少なくありません。
特に電話での説明では、なおさらです。
そこで本記事では、
四六判と菊判の違いについて、できるだけ分かりやすく解説していきます。
読み終わるころには、これまでの「モヤッと」がすっきり解消されていれば幸いです。
目次
四六判と菊判は、紙の“格”の違いではない

まず最初にお伝えしたいのは、
四六判と菊判は、紙の品質やランクの違いではないという点です。
これは紙の種類を表す言葉ではなく、
印刷用紙の「原紙サイズ(基準となる大きさ)」の違いを指しています。
同じ銘柄、同じ白さ、同じ質感の紙であっても、
四六判サイズで流通しているものと、
菊判サイズで流通しているものの両方が存在します。
そのため、
「四六判だから高級」
「菊判だから安価」
といった上下関係や優劣は一切ありません。
「kg」は紙の厚さではなく、1,000枚の重さ

印刷用紙で使われる「kg」という単位は、
紙の厚さそのものを表しているわけではありません。
このkgは、
原紙を1,000枚重ねたときの重さを示しています。
印刷業界では、この考え方を「連量(れんりょう)」と呼びます。
ここで重要なのが、
原紙のサイズが大きければ、同じ厚さでも1,000枚の重さは重くなる
という、ごくシンプルな物理的な法則です。
この仕組みを知らないと、
kg表記の違いに戸惑ってしまう原因になります。
原紙サイズの違いが、数字の違いを生む

四六判と菊判の原紙サイズは、次の通りです。
- 四六判:788 × 1091mm
- 菊判:636 × 939mm
原紙サイズは、四六判のほうがひと回り大きくなっています。
そのため、同じ厚みの紙であっても、
四六判で1,000枚そろえれば重くなり、
菊判で1,000枚そろえれば軽くなります。
これが、
「同じような紙なのに、kgの数字が違う」
という現象の正体です。
同じ紙の厚さでも、呼び名(kg)が変わる
紙の厚さを比較するうえで基準になるのが、
坪量(1㎡あたりの重さ:g/㎡)です。
この坪量が同じであれば、紙の厚さは同じと考えて問題ありません。
ただし、原紙サイズが異なるため、
1,000枚(1連)に換算したときの重さ、つまりkg表記が変わります。
具体的な例を見てみましょう。
パンフレット制作でよく使われる厚さを比較すると、次のようになります。
【標準的な厚さ】四六判 90kg ≒ 菊判 62.5kg
【厚手の会社案内】四六判 110kg ≒ 菊判 76.5kg
【名刺・カード】四六判 135kg ≒ 菊判 93.5kg
数字だけを見ると差があるように感じますが、
坪量が同じであれば、手触りやしっかり感、高級感に違いはありません。
効率の黄金律:仕上がりサイズで原紙を選ぶ
印刷コストを抑える大きなポイントは、
紙の無駄(ロス)を減らすことです。
そのため、印刷では
仕上がりサイズに合わせて、
最も無駄なく面付けできる原紙サイズが選ばれます。
基本的な考え方は、とてもシンプルです。
- A判製品には菊判
- B判製品には四六判
そのため、A4やA5サイズで作ることの多い
商品カタログ、会社案内、パンフレットでは、
菊判が使われるケースが多くなります。
A4・A5サイズの印刷物なら「菊判」

菊判は、A判規格よりも一回り大きく作られています。
そのため、裁断に必要な余白(塗り足し)や、
印刷機が紙をつかむためのスペースを無理なく確保できます。
B4・B5サイズの印刷物なら「四六判」

B判規格の印刷物には、四六判が適しています。
週刊誌や折り込みチラシ、単行本などは、
四六判の原紙から効率よく取ることができます。
用紙の歴史を紐解いてみる

四六判のルーツは、
明治時代にイギリスから輸入された「クラウン判」とされています。
この紙を4寸×6寸のサイズで断裁し、
書籍を作ることが多かったことから、
「四六判」と呼ばれるようになりました。
日本独自のB判規格(美濃判由来)とも相性が良く、
日本の出版文化の基盤として定着しています。
一方、菊判は、
新聞用紙としてアメリカから輸入された紙がルーツです。
名前の由来には諸説あり、
- 輸入紙の商標ラベルがダリアの花で、菊に似ていた
- 新聞(NEWS)の「聞」を「菊」と読ませた洒落
といった説が伝えられています。
その後、A判規格(国際規格)との相性の良さから、
近代的な商業印刷の主流となりました。
この背景を知ると、
「冊子=四六判」「カタログ=菊判」という使い分けが、
合理的な理由に基づいていることが分かります。
最適な「判」選びが、印刷の品質とコストを決める

発注時に、四六判や菊判を細かく指定する必要はありません。
ご相談の際には、
- 仕上がりサイズ(例:A4)
- 用途(カタログ、パンフレットなど)
- 仕上がりの印象(しっかり感、高級感など)
をお伝えいただければ十分です。
カタプラでは、
それらをもとに最適な判型と紙厚をご提案しています。
仕上がりサイズに合った原紙を選ぶことで、
紙の無駄を減らし、コストを最適化できます。
また、kg表記の違いによる厚みのミスマッチを防ぐことで、
イメージ通りの仕上がりを実現できます。
ご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
記事を書いた人

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カタログ・パンフレットの業務全般に精通し、グラフィックデザイン、ウェブデザイン、DTP、スキャナーの経験があります。
データに関する相談にも対応可能です。
お客様が困っているときは、その場でオペレーションを行い、スムーズな解決をサポートします。
幅広いスキルを活かして、お客様のニーズに最適なご提案をいたします。
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